水中で一番抵抗の受けにくい形は流線形です。
魚やイルカは流線形なので水の中をスイスイと泳いでいく事ができます。
我々人間も流線形に近い姿勢をする事で水中を速いスピードで進むことが可能となるのです。
ストリームラインとは、流線形姿勢の事で競泳のスタート時とターン後に用いられますね。
全ての泳ぎの基本となる為スイミングスクールなどでは泳法を教える前にストリームラインを習得します。
競泳では、ストリームラインを作り、壁を蹴ってスタートした後、蹴伸びで15m地点まで進む。
これがスタート時の局面です。
ストリームラインをしっかりと作って蹴伸びが出来ればその加速力をその後の泳ぎに繋げる事ができるので減速が減りレースで有利です。
逆に言えば、蹴伸びがヘタだとスタート後にうまく加速できず、減速しやすい為、不利になります。
このことからも競泳をこれから始めようとする方は必ずやマスターしておきたい技術です。
今回は良いストリームラインを身に付ける為の方法やコツを紹介致します。
正しく、良いストリームラインを身に付けよう!
冒頭にも書いた通り、ストリームラインは泳ぎの基本です。
また、どんな泳法よりも水中で一番速く進める姿勢でもあるのです。
正しく、良いストリームラインを身に付ける事ができればスタートの局面でライバルに差を付けていく事が可能となるるのです。
良いストリームラインを作るコツは?
まず、良いストリームラインとは何でしょうか?
それは、正しいフォームのストリームラインの事です。
具体的に言うと、手先からつま先まで一本の串が刺さっているかのようにピーンと伸びた姿勢の事を指します。
完全に水平である事が理想で、少しでも角度が付くとそれは水の抵抗となってしまいます。
ではどうすればそんな正しいストリームラインを作る事ができるのか?解説しますね。
手先からつま先まで水面に水平になるようにピーンと伸ばしきる。
これはストリームライン姿勢の基本中の基本です。手先からつま先までを真っすぐにします。
こめかみを上腕で挟み込むように腕を組む。
ストリームライン姿勢では片方の手の甲をもう一方の手の平に重ねて組む訳ですがたまに組まずにバンザイ姿勢でエセストリームラインになっている人がいます。気を付けましょう。
顎を引き、目線はプールの底に向ける。
顔の向き及び視線は下を向くようにします。何故なら前を向いてしまうと水の抵抗を受けるからです。顎は引くようにしますが引きすぎでもいけません。気持ち3m先を見るぐらいが丁度良いでしょう。
腹筋に力を入れる。
腹圧を入れるとも言いますが、下腹部付近に力を入れる事で体感部が固定され、安定し、下半身が沈むのを防ぎます。
膝の裏に力を入れる。
ヒザ裏に力を入れることで足が下がってしまうのを防ぐことが出来ます。
肺に空気を溜める
姿勢とはあまり関係がありませんが蹴伸びの際、肺に空気が入っているかそうでないかで浮きの質が変わってきます。ハイに空気が入っている事で肺そのものが浮袋の役目を果たすので蹴伸び時の滞空時間(滞水時間ともいうべきか?)が長くなるのです。
以上のポイントを押さえておけば身体に一本串が刺さったような真っすぐストリームラインとなり、長い距離を蹴伸びで進む事が可能です。
悪いストリームライン
- 片方の手のひらを片方の手の甲に重ねていない。(ただのバンザイになっている)
- 顔と視線が前を向いている。
- 腹筋に力を入れていない。
- 背中が反ってしまっている。
- 足が沈んでしまう。
- 膝が曲がっていてそもそも流線形になっていない。
このような悪いストリームラインを作ってしまうと、蹴伸びの際に5m以上進む事が難しくなってしまいますし、スタート後の加速を泳ぎに繋げる事ができません。
悪い癖を治すには伏し浮きが有効です。
伏し浮きとは、水面に伏して浮く事ですが、出来るだけ長い時間浮くようにします。
長く浮くことが出来なければストリームラインの姿勢として正しくないという事になるので逆説的にはなりますが伏し浮きで長く浮く練習をする事でストリームラインの姿勢を正す事にもつながる訳です。
言うなれば正しい伏し浮きが出来ている=正しいストリームラインが出来ている。つまり、同義なわけですね。
伏し浮き練習
- 腕でこめかみを挟み、両手で手を組みます。
- 視線はプールの底を見るようにします。
- 手や足を可能な限りピーンと伸ばします。
特に意識してほしいのはヒザや腰はピンと伸ばすという点です。
ここが曲がってしまうと早く沈んでしまうからです。
腕の関節をピーンと伸ばすのは意識しやすいですが膝の関節や腰は無意識に曲がってしまう為、注意が必要だという事です。
その他の練習方法
伏し浮き練習法で長い時間浮くことが出来るようになったら今度はストリームラインを作って練習していって下さい。
以下のチェックポイントを意識しながら実際に蹴伸びを行い、試行錯誤を繰り返して正しいストリームラインを練習していけば良いストリームラインが自然と出来るようになりますよ。
良いストリームラインのチェックポイント
- こめかみを上腕で挟むようにしていますか?
- 顎を引き、視線はプールの底を見れていますか?
- 肺に空気を溜めていますか?
- 腹筋に力を入れていますか?
- お尻に力を入れていますか?
- 膝の裏に力を入れていますか?
- つま先をピンと伸ばしていますか?
これらがしっかりと出来ていれば長い距離を蹴伸びで進む事が可能となります。
まとめ
いかがでしたか?
ストリームラインは単純なようでいてとても奥深いものです。
習得して間もないうちは進める距離は5m程度かもしれませんが徐々に8m、10m、プールの半分といったように正しいストリームラインを研究して実践を重ねながら試行錯誤していく事で進める距離は必ずや伸びていきます。
その暁には抜群のスタート力(加速力)とターン後のスピード下落防止力が身に付くことでしょう。
ぜひとも正しく、良いストリームラインを身に付けてライバルに差を付けていって下さいね。
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